「国宝の輝き、大崎八幡宮:仙台に息づく歴史と文化を巡る旅」

仙台の北西に鎮座する大崎八幡宮は、奥州一ノ宮として知られ、仙台総鎮守としての誇りを持っています。
この神社は、仙台藩祖・伊達政宗が慶長12年(1607年)に創建し、仙台の発展とともにその歴史を歩んできました。
格式高いこの神社は、仙台市内に数多くある神社の中でも特別な存在であり、広大な神域と安土桃山時代の建築様式を色濃く残す社殿が国宝として指定されています。

先日訪れました仙台東照宮は、二代藩主忠宗公による建立ですが、こちらはその父である政宗公による建立です。

仙台東照宮の記事はコチラ↓
https://tn-luck.com/town-information/2024/08/22/285/

大崎八幡宮の大鳥居
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大崎八幡宮:仙台の象徴としての歴史的価値

大崎八幡宮の由来は、平安時代の坂上田村麻呂が東夷征伐の際に武運長久を祈願し、宇佐八幡宮を勧請したことに始まります。その後、室町時代には宮城県北部に勢力を誇っていた奥州管領大崎氏により崇敬され、戦国時代の終焉とともに伊達政宗がこの地に遷座させました。
現在でも、その歴史的な背景を反映し、仙台市民から深い敬意を受けています。

仙台藩政初期を伝える江戸初期の建築美

大崎八幡宮の社殿
大崎八幡宮の拝殿

大崎八幡宮の社殿は、現存する仙台の建築物の中でも特に目を引く存在です。
この社殿は伊達政宗の寄進によって建てられ、慶長12年に完成しました。
江戸時代初期に建てられた「権現造り」の建築様式は、本殿・拝殿・石の間を一棟として構成し、壮麗さと荘厳さを併せ持っています。

特に拝殿には、狩野派の絵師による唐獅子の障壁画や、格天井に描かれた五十三種の草花、そして左甚五郎作と伝わるにらみ猫など、細部まで豪華な装飾が施されています。
彩色や金具で飾られた社殿は、安土桃山文化の華やかさを今に伝える貴重な建造物であり、桃山建築の粋を集めた社殿は後に日光東照宮にも影響を与えました。

仙台市民から愛される大崎八幡宮と「どんと祭」

大崎八幡宮のどんと祭の光景
国宝 大崎八幡宮HPより転載

大崎八幡宮は、その壮麗な建築だけでなく、仙台市民にとっても重要な信仰の場として知られています。
特に、1月14日に行われる「どんと祭」は、県内最大規模の正月行事であり、多くの参拝者で賑わいます。
この祭りでは、正月の松飾りや注連縄を燃やす「松焚祭」が行われ、火に当たることで無病息災や商売繁盛を祈願します。

どんと祭の一環で行われる「裸参り」は、さらし姿で神社に参拝する勇壮な風習です。この裸参りは、酒造りを担った南部杜氏が安全を祈願して始めたと言われており、仙台ならではの伝統行事として注目されています。

歴史と文化が交差する大崎八幡宮へ

大崎八幡宮の参道

仙台を訪れる際に、大崎八幡宮は欠かせないスポットです。
歴史的な建造物としての価値はもちろん、仙台の人々にとって心の拠り所であり続けています。
どんと祭の時期に訪れると、その祭りの熱気とともに日本の古き良き風習に触れることができるでしょう。

国宝としての格式を誇る大崎八幡宮は、仙台の歴史と文化を象徴する存在です。
その壮麗な社殿や、仙台市民にとって欠かせない信仰の場としての役割を持つこの神社は、訪れる人々に深い感動を与えてくれるでしょう。
ぜひ、大崎八幡宮を訪れて、仙台の歴史的な建築美と文化をじっくりと味わってみてください。

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