若手社員がすぐ辞める本当の理由とは？３つの要因と会社ができること

最近、多くの会社が「若手社員がすぐ辞めてしまう」と悩んでいます。
特に新卒入社の社員が短期間で会社を去るケースが増えており、企業にとって大きな課題となっています。
これまで、若手社員の離職の主な理由として、給料や人間関係が挙げられることが多かったですが、それだけではすべてを説明することはできません。

仕事に対する価値観が変化し、多くの若手社員が「やりがい」や「成長できる環境」を求めるようになっています。
しかし、現実には期待と異なる職場環境に直面し、退職を決意する人も少なくありません。

では、なぜ若手社員は辞めてしまうのでしょうか。
本記事では、その理由を詳しく分析し、企業がどのような対策を取るべきかについて、わかりやすく解説します。

若手社員がすぐ辞めるのはなぜ？
若手社員が辞める3つの大きな理由
若手社員が求める理想の上司
会社ができる若手社員の定着対策
まとめ

若手社員がすぐ辞めるのはなぜ？

厚生労働省のデータによると、新卒の社員の約3割が3年以内に会社を辞めています。
特に、大企業での離職率が高まっていることがわかっています。
これは、企業規模が大きいほど社員一人ひとりへのフォローが行き届かず、疎外感を抱くケースが増えているためとも考えられます。

また、近年の若手社員は、仕事を単なる収入源ではなく、「自己実現の場」と捉える傾向が強まっています。
つまり、仕事を通じて自分の成長や社会への貢献を実感できないと、不満を抱きやすくなるのです。

加えて、SNSの普及により他社で活躍する同世代の様子が簡単に目に入るようになり、自分のキャリアに対する焦りを感じる人も多くなっています。
これらの要素が絡み合い、結果として早期退職へとつながっているのです。

では、どのような理由で若手社員は辞めるのでしょうか？

若手社員が辞める3つの大きな理由

1. 自分の価値が認められない

「自分の仕事が評価されていない」と感じると、やる気がなくなります。
上司や先輩からのフィードバックが少ないと、「ここにいる意味がない」と思い、辞めたくなるのです。

特に、日々の業務での貢献が上司や同僚に認識されていないと、「誰がやっても同じ」と感じることがあります。
また、組織が成果を評価する基準が曖昧だったり、公正な評価制度がない場合、不満が募ります。
結果として、

「どれだけ頑張っても評価されないなら別の環境に行った方がいい」

と思う若手社員が増えるのです。

たとえば、一生懸命仕事をしても「頑張ったね」と言われることがなく、ただ淡々と仕事を続けるだけでは、モチベーションが上がりません。
だからこそ、会社は定期的に社員を評価し、努力を認めることが大切です。

2. 仕事の成果が見えにくい

「自分の仕事がどんな影響を与えているのかわからない」と感じると、働く意欲がなくなります。
特に、大きな会社では仕事が細かく分かれているため、「自分が会社のために役立っているのか」が実感しにくいのです。

また、組織のピラミッド構造が複雑な場合、成果が目に見えにくく、仕事の手応えを感じづらくなります。
社員が、

「自分の仕事がどんな形で会社や社会に貢献しているのか」

を実感できないと、やりがいを見失い、結果として退職につながることがあります。

この問題を解決するには、上司が

「この仕事のおかげで、こういう成果が出たよ」

と伝えることが大事です。
また、社員が成果を出しやすいプロジェクトに参加できる環境を作ることも効果的です。
さらに、社内の透明性を高め、仕事の成果が明確に認識できる評価制度を設けることが重要です。

3. 成長できる気がしない

「この会社で成長できるのかな？」と不安になると、転職を考えるようになります。
仕事が単調だったり、新しいことを学べる機会が少ないと、「このままでいいのかな？」と思い始めるのです。

特に、キャリアアップを望む若手社員にとって、研修制度の充実度やスキル向上の機会は重要な要素です。
現代の若手社員は、「学べる環境」に高い価値を置いており、経験が積めない環境では長く働きたいと思えなくなります。

たとえば、毎日同じ仕事ばかりで、新しいスキルを身につけるチャンスがなければ、やりがいを感じられません。
また、ロールモデルとなる上司や先輩がいない環境では、自分の将来像を描きにくく、次のステップを考えるようになります。

これを防ぐために、会社は研修制度を充実させたり、いろいろな仕事を経験できるようにすることが重要です。
また、キャリアの見通しを示し、社員がどのように成長できるのかを具体的に伝えることが、離職防止の大きなカギとなります。

若手社員が求める理想の上司

最近の若手社員が理想とする上司は、昔と少し違います。

明治安田生命が毎年実施している「新入社員が選ぶ『理想の上司』総合ランキング」の調査では、ここ数年「親しみやすい上司」が人気であることがわかりました。

2024年の理想の上司は、男性・女性ともに共に8年連続で男性上司の1位は内村光良さん、女性上司の1位は水卜麻美さんでした。
選んだ理由を見てみると、今の若者が上司に求めているものがよくわかるような気がします。
内村さん、水卜さんのどちらも、選ばれた理由のトップは「親しみやすい」というものでした。

過去には「熱血で厳しい上司」が理想とされていましたが、今の若手社員は「話しかけやすい」「相談しやすい」上司を求めています。
つまり、部下としっかりコミュニケーションを取り、共感してくれる上司が求められているのです。

また、若手社員は単なる指示待ちの関係ではなく、積極的に対話しながら学べる環境を望んでいます。厳しく指導されるよりも、適度にサポートを受けながら自分で考え、判断できる機会が増えると、より意欲的に仕事へ取り組めるのです。

さらに、若手社員は「共感力」や「傾聴力」のある上司を求めています。
単に業務の指示を出すだけでなく、部下の悩みや意見に耳を傾け、適切なアドバイスを与える上司が信頼されやすいのです。
そのため、上司自身も部下との対話を大切にし、フィードバックの頻度を増やすことが重要です。

加えて、仕事のやりがいを感じさせてくれる上司が理想とされています。
単調な業務の中でも、「この仕事がどういう意味を持つのか」「どのようなスキルが得られるのか」を明確に伝え、部下が成長できるビジョンを示すことが求められています。

このようなサポートがあると、若手社員は自分のキャリアについて前向きに考え、意欲的に仕事へ取り組むことができるのです。